現代のペット医療は大きく進歩し、動物病院で受けられる西洋医学的な治療により、多くの命が救われています。
しかし一方で、「治療は続けているのに、なんとなく元気がない」「薬の副作用や負担が心配」 という声も少なくありません。
そこで近年注目されているのが、鍼灸、漢方、マッサージ、音響セラピーなどに代表される 東洋医学的ケアです。
とはいえ、飼い主の中には――
「動物病院の治療と一緒に受けさせていいの？」「混ぜると危険では？」
と不安を抱く方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、東洋医学ケアは動物病院の治療と併用することが可能です。
ただし、いくつかの注意点を押さえて進めることが重要です。
■ 東洋医学の基本的な考え方
西洋医学が 原因を特定し、症状を抑えるための直接的な治療 を行うのに対し、
東洋医学は 身体全体のバランスを整え、自己治癒力を高める ことを目的としています。
| 西洋医学 | 東洋医学 |
|---|---|
| 病名の診断が中心 | 体質や気血水、五臓六腑のバランスを重視 |
| 即効性が高い | ゆっくりだが根本改善を目指す |
| 手術・薬が中心 | ツボ刺激、漢方、食養生、音や香りなど自然の力 |
そのため、状態が急変しやすい病気や命に関わる場面では西洋医学が不可欠ですが、
慢性疾患や加齢に伴う不調、ストレスケアなどは
東洋医学の併用が大きな効果を発揮します。
■ 動物病院との併用がおすすめなケース
- 椎間板ヘルニアや関節炎の後のリハビリ
- 腎不全や心臓病などの慢性疾患の補助ケア
- 老犬・老猫の介護期の QOL（生活の質）向上
- 原因不明の元気消失・食欲低下
- ストレスによる行動問題・情緒不安定
特に高齢期になると、薬が増えて身体の負担が大きくなりやすく、
「薬だけに頼らないケア」 が求められるようになります。
■ 併用するときの注意点
① 効果を焦らず観察する
東洋医学は体質改善型のため、
変化が出るまでに数週間～数ヶ月かかることがあります。
焦らず日々の小さな変化を記録することが大切です。
② 相性の良い専門家を選ぶ
- 動物鍼灸師や獣医中医学士の資格有無
- 実際の症例経験
- 丁寧なカウンセリング
口コミや紹介も参考になります。
■ 音響セラピーなど“自宅でできるケア”の役割
近年注目されているのが、周波数を利用して自律神経を整える音響セラピーです。
これは薬や刺激を使用せず、
耳・脳・神経系を通じて リラックスと自己治癒力を引き出す ことが期待されています。
特に効果が期待できる症状としては：
- 不安・恐怖・夜泣き
- シニア期の認知症予防
- 病後の回復サポート
- 留守番・引越し・多頭飼いによるストレス
動物病院での治療と併用することで、
心身両面からのケアが可能になり、回復やQOL向上の相乗効果が生まれます。
■ 西洋医学 × 東洋医学の時代へ
これからのペットケアは、
どちらか一方を選ぶのではなく、
「組み合わせることでより強くなる」 という発想が重要です。
飼い主だからこそできることはまだまだたくさんあります。
大切な家族のために、
今できる最善のケアを一緒に見つけていきませんか？