「特に病気ではないと言われたけれど、なんとなく元気がない」
「音や来客に過敏に反応してしまう」
「身体が冷えやすく、いつも丸くなっている」
このような状態は、検査では異常が出なくても、飼い主さまにとっては気になる変化ではないでしょうか。
東洋医学では、このような“はっきりした病気ではない不調”を大切に考えます。
その背景にあるのが「体質」という視点です。
東洋医学が見る3つの状態
東洋医学では、体の状態を「気・血・水(き・けつ・すい)」という考え方で捉えます。
・気:生命エネルギーや活動の源
・血:栄養や潤いを運ぶもの
・水:体内の水分バランス
これらが不足したり、巡りが滞ったりすると、不調が現れると考えられています。
たとえば――
■ 冷えやすい子
身体が冷たい、丸くなって動きたがらない、下痢をしやすいなどの傾向が見られます。
これは「陽気(体を温める力)」が弱い状態と考えられます。
■ 緊張が強い子
常に警戒している、力が抜けにくい、眠りが浅い。
これは「気の巡り」が滞っている状態とも言われます。
■ 過敏な子
音や刺激に過剰反応する、環境変化に弱い。
気が上にのぼりやすく、バランスが崩れている可能性があります。
「整える」とはどういうことか
東洋医学の特徴は、「悪い部分を取り除く」よりも
全体のバランスを整えることを重視する点にあります。
冷えがある子には、温める環境や巡りを助ける工夫。
緊張が強い子には、安心できる時間を増やすこと。
過敏な子には、刺激を減らし、落ち着く体験を重ねること。
どれも特別なことではありません。
日常の中で少しずつ“整える”ことが基本になります。
音によるアプローチという考え方
近年は、環境音や周波数を活用して、リラックス状態をサポートする方法も取り入れられています。
東洋医学でいう「気の巡り」は、目に見えるものではありません。
しかし、呼吸が深くなったり、表情が穏やかになったりする変化は、確かに感じ取ることができます。
音は直接体に触れるものではありませんが、
環境を整える一つの要素として活用することができます。
特に、触られるのが苦手な子や、刺激に弱い子にとっては、
“何かをされる”のではなく、“ただ流れている”ケアは負担が少ない方法とも言えます。
体質は変えられないもの?
東洋医学では、体質は生まれ持った部分もあると考えます。
しかし、それは「変えられない」という意味ではありません。
体質は、環境や生活習慣、ストレスの影響を受けて日々揺れ動きます。
だからこそ、整える習慣を持つことが大切なのです。
・冷えやすいなら温める時間を増やす
・緊張しやすいなら安心できる刺激を選ぶ
・過敏なら環境をシンプルにする
大きな変化を求める必要はありません。
小さな積み重ねが、結果として安定につながります。
まずは体質を知ることから
大切なのは、「何が悪いのか」を探すことではなく、
その子がどんな傾向を持っているかを知ることです。
冷えや緊張、過敏さは、欠点ではありません。
その子の個性であり、体質のサインです。
東洋医学の視点は、
「治すため」ではなく、「理解するため」にあります。
まずは体質を知り、今の状態を観察すること。
そこから整える一歩が始まります。